ひまわり先生のひとりごと (2002年2月) 
  2002年2月4日
サーカスのクマ

人には、得手不得手というものがある。
私も、「嫌いな人」というわけではないのだが、
「一緒にいると、すごく気が重いんだよなー」
というタイプの人々がいる。どんな人かというと、「ものすごーーく、見返りを期待する人」だ。

ちょっとした見返りを期待されるのは、むしろ、
「ああ、こんなこともして上げられた」
と、嬉しい気持ちにさせてもらえるんだけど・・・。
スーパー「見返りを期待する人」というのはいただけない。たとえば、こんな感じ。

P「ね、ね、こんなふうにやりました!」
M「そう、すごいですねー」
P「これもやりましたね」
M「うーん、いいことですねー」
P「こんなことも、できたんですっ!」
M「そう、よくがんばりましたねー」

という会話が2時間近く続いて、「褒めてー(かまってー)光線」を浴びせられると、
さすがに超疲れる…。
(あ、でも、ご注意ください。
こういう話を書くと、「え、それって、私かも」と、ひたすら反省モードに入って落ち込む人がいます。
でも、そういう人は、まず、「褒めてー光線」は出していません。
本当に「光線」を出している人は、「光線を出している」という自覚がないもんです)


「褒めてー光線」を出しまくっている人は、実は、自分で自分を褒めることができない人だ。
もうちょっと突っ込んでいえば、それだけ、褒め言葉に飢えて育って来た人だ、ともいえる。
こういう人は、元気になるまで、周りの人から、たくさんの褒め言葉をもらうことが必要だし、
自分でも、褒める練習をする必要がある。


なので、褒めると同時に、必ず、「自分でも自分を褒める練習しなさいね!」
と、じっくり指導することが大切だ。
そして、こういう人が一人歩きできるようになるまでは、じっくり子育てのように付き合うことが肝心だ。

なので、職業的忍耐が求められるので、本当をいうと
「褒めて光線」との戦いではなく、自分自身との戦いだったりする。


・・・とは理屈では、わかっちゃいるものの、やはり、2時間はきつい・・・。
そんなこんなの患者さんがきた日の夜、お能のお稽古に行ったら、師匠がお弟子さんを叱っていた。

「あなたねー、サーカスのクマじゃないんだから、一回一回、謡を読むたびに、
角砂糖を要求するマネはしないでくださいよっ!

 『ね、上手にできた?』
 『今度のは?』
 『これは?』
そうやって、角砂糖ばっかり要求してるから、サーカスのクマは、虫歯だらけになっちゃうんじゃないですか!」

と、玉乗りをしながら角砂糖を要求して、パックリ口をあけるサーカスのクマのまねをする。
師匠は、すっごい勢いで怒ってるんだけど、あまりにも、チャーミングなクマの姿に、
思わず、ブーッと噴出してしまった。


商売柄、ああいう怒り方はできないけど、あのぐらい、スパーっと怒れたら、
どんなに気持ちがいいだろう! ・・・と思ったら、なんだかその日はとってもすっきりして、癒された気分になった。


今度、褒めて光線を出す患者がきたら、口をあけている
かわいい玉乗りクマちゃんを想像することにしよう! 
そしたら、私も楽しく褒め言葉を投げてあげられそうだ。

 (今回も、ルナ子がなにやら裏でほざいています。こっちも見てやってね)



  2002年2月20日
この間、ホスピスに研修にこられていた女医さんとメールのやり取りをしていて、
恋愛の話になった。
彼女が「私はオクテで・・・」というものだから、茶化してこんなメールを送った。


「昔、国語の先生に、
『森津! 恋をしなさい、恋を! そうすれば、国語の成績が上がります!』
って、言われたことがあるんだけど、その先生流に言えば、
『恋をしなさい、恋を! そうすれば、カウンセリングの技術も上がります!』
って感じかなあ。いい恋でも、大失恋でも、仕事に役立つよ!」

そしたら、彼女から、

「笑っちゃいました・・・!! 
恋愛って、役に立つとか、立たないじゃなくて、自然発生的にするもんですよねー」


と、笑い声が聞こえそうなメールが返ってきた。
・・・確かにそうだ。何も、恋愛まで、仕事に役立てようと思わなくてもいいのに、私ってば、

「うーん、この経験は、どこかで役立てられないかな」
と、ついつい考える癖がついている。転んでも、絶対、ただでは起きないがめつい性格だ。

ああ、また、ルナ子に厳しい突込みを入れられそう・・・。

(また、裏でなにかホザいてます)




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